東京電力は28日、都内で定時株主総会を行い、過去最高の延べ9282人(午後1時半現在)が出席し、予定していた会場に収容できず急きょ第1~5まで会場を同じホテル内に用意したが、入りきれずに廊下にも株主があふれた。時間も過去最長の3時間半を超え、しかも議長である勝俣恒久会長の緊急解任動議が3度も出されるなど前代未聞の大荒れ総会となった。
最初から議長解任の緊急動議
東電の定時株主総会会場(都内のホテル)
しかし、福島第一原発の事故の対応、さらには、この日の会場内での対応の不手際、株主たちはいら立っていた。会場ではいきなり、女性の株主から議長解任動議が出された。ここで挙手による多数決の結果、ほぼ「賛成」「反対」が拮抗する中で、動議は否決となった。
結果としては、この議長判断が株主の怒りに火を注ぐことになった。昨年の総会の出席者数は延べ3917人。今回はそれをはるかに上回る9282人にまで膨れ上がっていた。
60代の女性は「こんなことになったから、今年久しぶりに行くことにしました。いい株だったから(東電株を)孫に残してやろうと思っていたのに…」と残念そうに話していた。
そうした、やり切れない思いを胸に、総会の会場に足を運んだ株主は多かったのではないだろうか。