AKB48まで登場のクーポン市場も消費者は冷ややか

 米国ではグルーポン、リビングソーシャルの上位2社が上場申請。日本でも6月の業界の販売総額が38億円超と過去最高となった。さらに、グルーポン、ポンパレ上位2社の覇権争いも熾烈を極めるが、それをしり目に、ユーザー側は実にドライに商品を選んで購入している傾向にある。成長の裏で、負の部分も出てきている。

割引の金券だけ買う

 アマゾンギフト券、クオカード、マックカード、餃子の王将割引券…。これは、クーポンヘビーユーザー男性(40代)が最近購入したというものだ。なぜかすべて金券。しかも、皆が知っているようなものばかりだ。

 「昔はクーポンサイトにハマっていて、飲み会で飲食店を使ったり、マッサージを使ったりしましたが、いま買っているのは金券ばかりですね」

 つまり普段、自分がよく使う物だけを買っているのだ。それがアマゾンギフト、クオカード、マックカードなどだ。

 今年6月のクーポン共同購入サイト159社の販売総額は前月比34%増の38億4644万円となり、月間ベースでは過去最高となった(クーポンジェイピー調べ)。ただ、業界2位ポンパレの伸びが191%増で金額にして約8億円増加しており、ほぼこの分が業界全体を押し上げたと見る向きもある。


グルーポンのテレビCM告知
 同社は、金券をキャンペーンで展開していたのだ。業界1位グルーポンとの差はほとんどなくなり、グルーポンは切り札としてAKB48を起用したテレビCMを打つ。それも出演者を投票で決めるという総選挙方式を取る凝りに凝ったやり方だ。

 前出のヘビーユーザーは「むこうの思うツボだからリピートする気はないし、これからも金券しか買わないと思います」という。消費者はいつも一枚上手を行く。また、訴訟を起こした店舗が出てくるなど、少し怪しい雲行きではある。

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