ホリプロMBO、上場維持費用5000万円以上?

 芸能プロ大手ホリプロが経営陣による株式公開買い付け(MBO)し、非上場化することを発表した。芸能プロだけに暴力団排除条例の施行との関係は気になるが、「もはや芸能プロは上場したり、経団連入りする意味がない」と関係者。その辺りの事情を探ってみた。

芸能プロは上場維持費用がかさむ?

 1989年、芸能プロを社会的に認知してもらいたい、との目的で業界初の株式店頭公開を果たしたホリプロ。東証1部上場まで果たし、その目的は十分に達したとも言える。大手芸能プロの経理・総務部門の担当者が次のように語る。

 「ホリプロさんは業界では堅いことで有名で、暴力団がらみではないでしょう。もう社会的には十分に認知されてしまうと、あとのメリットはないでしょう。上場維持費用も5000万円(人件費含め)を下らないのでは」

 芸能プロは特に他の業界に比べて、総会に付随したパーティー開催、グッズ提供など経費がかさむ要素があるという。


綾瀬はるかさん
 MBOの今年の発表は同社でちょうど20社目で、合計21社にも上る。ホリプロはリリースでも上場維持については「経営負担」という言葉を使っているように、少しでも経費を削減したい上に、日経平均も8000円台と低空飛行している状況なら、MBOには良いタイミングだと言える。

 600円台と株価はずっと低迷し、PBRも1倍を下回る状態が続いていた。買収価格は1050円で、株主の一人は「100株あたり4万円ほどの利益は出ますが、株主なのでホリプロのタレントを応援しようという気持ちはあるので、さみしい気はします」と話す。優待クオカード、舞台割引券、総会後のパーティー開催など特典も魅力だったという。

 「上場廃止のシミュレーションをしていない芸能プロはないのでは?」と前出の経理マンはいうほどだ。

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