昨年の大晦日は、NHK紅白歌合戦の裏番組として、ボクシング世界戦中継が2試合放送されていた。ハングリースポーツの代表格のようなイメージのあるボクシングだが、日本のジムに所属する世界チャンピオンは現在、高学歴化が進んでいるという現象が起きている。
それは古い既成概念に
まずは、現役の日本ジム所属の世界チャンピオンの顔ぶれを下に並べてみた。8人中5人が大卒(中退)、1人が名門高校出身となっている。これを見れば、大方の人がボクシングへと抱く「ハングリースポーツ」という既成概念は崩れるのではないだろうか。歴代の日本の世界王者は69人、その中で大卒は16人しかいない。そのうち5人が現役なのだ。
WBA・Sフェザー級王者・内山高志(ワタナベ)=拓殖大
WBCミニマム級王者・井岡一翔(井岡)=東京農業大中退
WBAバンタム級王者・亀田興毅(亀田)
WBC・Sフェザー級王者・粟生隆寛(帝拳)=習志野高校
WBCバンタム級王者・山中慎介(帝拳)=専修大
WBAミニマム級王者・八重樫東(大橋)=拓殖大
WBC・Sバンタム級王者・西岡利晃(帝拳)
WBA・Sフライ級王者・清水智信(金子)=東京農業大
昨年大晦日には、その内山高志選手、井岡一翔選手のそれぞれの試合がテレビ東京、TBSが生中継された。ともに見事なKO勝ちを収めるという結果となった。2人は大学ボクシング界では、「二強」の大学出身者である。
では、なぜ高学歴化という現象が起きているのだろうか?