「クレイジー」な会社が突きつけた業界の本音

 顧客からの苦情にいっさい対応しない意思を公に示したスカイマーク。東京都などをも巻き込んでちょっとした騒ぎとなっている。業界的に異端児という位置づけをされる同社だが、競争やコスト高で厳しい航空業界の一端を示すモノとの見方もあり、意外に業界の本音というのは一理あるようだ。

これが業界の本音か?

 「機内での苦情は一切受け付けません。ご理解いただけないお客様には定時運行遵守のため退出いただきます」

 これは「スカイマーク・サービスコンセプト」と名付けられた文書で、5月から同社の機内のカゴに入れて乗客に周知を図っているという。客室乗務員(CA)の言葉づかいから服装、髪型などの規定をせず、「より安全により安く」とするためだとしている。


スカイマーク・サービスコンセプトについて
 内容に異を唱えたのが、スカイマークが相談窓口に名指しした東京都消費生活センター。そして、消費者庁は6月6日になって、用紙の回収を要請する方針を固めた。

 いわゆるローコストキャリア(LCC)であるが、新規参入も相次ぎ競走はさらに激しくなっている。こうした状況を「LCCもそうですが、LCCでなくても、CAは人的にはギリギリで、余裕がないので、この意見は本音だと思います。本当に、安全かサービスかの二択をして選んだ印象です」と他社の30代客室乗務員は話す。

 言わば「業界の本音」なのだが、本当にやってしまうところがスカイマークらしい?

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