「土用の丑の日」30代はうなぎを食べないのか

 今年はうなぎを食べる「土用の丑の日」が2回あるが、まず第1回目の7月19日を終えて、次は7月31日となる。うなぎの価格が昨年よりも高騰したり、老舗店舗のいくつかが店を閉めたり、業界も苦境に陥っている。ただ、それと同時に客層として「年配の人が方が多く、若い人が増えない」と話す老舗店もある。年配層が中心で、30代よりも下の世代であまり食さないなど、世代間による差はなぜ出ているのか。

 ちなみに現在のうなぎの需給関係はすでに様々なデータが出ているとおりだが、水産庁が5月に発表した養殖用稚魚のシラスウナギの確保分は、約12トンにすぎず対前年比で約25%も減少した。ここ数年は毎年のように減少が続いており、老舗店も価格を引き上げるなどして乗り切るしかないのが現状だ。ここ1カ月の間に1000円近く値上げする店舗も出るなど、経営のひっ迫度合いが、何となくわかる。

 ちなみに調査会社インテージが発表した土用の丑の日の意識調査では、10~50代の世代間別では次のような結果となった。

    食べる   食べない 土用の丑の日を知らない
10代  50.5%   34.0%  15.5%
20代  62.5%   27.0%  10.5%
30代  69.0%   25.0%  6.0%
40代  74.5%   19.0%  6.5%
50代  79.0%   16.0%  5.0%
全体  67.1%   24.2%  8.7%
 ※対象は各年代200人ずつ

 見事なまでに、年代で食べる割合が下がってきていることがわかる。その一方で、食べない割合が若くなるほど高くなってくる。30代やそれ以下の世代では、4分の1以上が食べないことになっている。「土用の丑の日」さえも知らないという割合も若い層ほど知らない割合が増加する。

 調査分析では、その理由の一つとして不況の影響を挙げている。財布の事情がどうであろうとも、確かに高額なものは控えたいが、それだけでもない。 

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