マンション「デート商法」、利回りはたった4%、ボッタクリの手口

 社会問題にもなっている投資用マンションの「デート商法」。結婚相手を探す人を、出会い系サイトで釣っておいて販売して買わせるというものだが、その手法の悪どさもともかく、驚愕すべきはその利回りの低さだ。中古マンションながら表面利回りが4%前後というもので、いかに販売価格が高いかがわかる。

購入価格20%以上上乗せ

 販売価格や賃料が判明するきっかけとなったのが、販売会社などに対して12人の男女が提訴(うち1人が取り下げ)したことだった。下の表に示すが、12人14戸で利回りは3.61%~4.60%とひじょうに低いものとなっているのだ。



 第三者による査定額と比較すれば、購入価格は最低20%から40%程度も、上乗せされたボッタクリ価格で販売されているのだ。

 しかも、1人で3戸同時に購入した人まで出ているのだから、ある種の悪質さは感じざるを得ない。原告側は、勧誘会社は無免許営業で、さらに勧誘目的を告げずに勧誘していることは、宅建業法違反だと主張し、総額2億円以上を求めた訴えとなっている。

 あまりの高利回りも警戒するのだが、あまりの低利回りだと今度は、お話にならない。

 成約しさえすれば、後は関係がフェードアウトするそうだ。最初のきっかけは、ヤフー、エキサイト、Rushなど普通の出会いサイトから。お互いに個人のアドレスを交換し合い、直接連絡を取り合うようになり、そして実際に食事などをする。そして、いずれはマンションの話も出てくるようになるのだ。

 こうした取引は被害として、独立行政法人「国民生活センター」などの機関にも寄せられており、2013年度だけで432件。「婚活サイトなどで知り合った相手から勧誘される投資用マンション販売に注意!!-ハンコを押す相手は信ジラレマスカ?-」とサイト上で実態を記している。

 給与所得者は税金に対して疎いこともあり、税金を取られ過ぎている、税金が返ってくる方法があると持ちかけたりして興味を引くところから始まっている。

 そして、オフィスなどに誘い、上司や同僚を同席させ、「紹介だから特別に」と話をどんどん進めていくのだった。 

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