大荒れ報酬50%減、ヘッジファンド報酬ランキング

 ヘッジファンド業界の2014年分の報酬ランキングが、米専門誌インスティチューショナルインベスターズ(アブソリュートリターン+)から発表され、1位はシタデルのケネス・グリフィン氏で、13億ドルだった。しかし、上位25人の報酬総額は前年分と比べて50%近く減額に。2014年が業界的に厳しい年だったことを表すランキングとなった。

シカゴの天才が初の栄冠

 上位25人の報酬総額は116億ドルで、前年2013年分の211億ドルの半分近くにまで落ち込んでいる。2013年分は過去4番目に高額報酬であったが、だが、2014年分はヘッジファンドが株に負けた年でもあった。

 S&P500が13.7%に対して、ヘッジファンド指数HFRが3.7%と、10%の大差がついている。

◆ヘッジファンドマネージャー報酬ランキング(マネージャー、報酬額、社名)
1 ケネス・グリフィン     13億 シタデル
2 ジェームズ・シモンズ    12億 ルネサンス・テクノロジーズ
3 レイモンド・ダリオ     11億 ブリッジウオーター・アソシエイツ
4 ウィリアム・アックマン   9.5億 パ-シング・スクエア・キャピタル
5 イスラエル・イングランダー 9億  ミレニアム・マネジメント
6 マイケル・プラット     8億  ブルークレスト・キャピタル・マネジメント
7 ラリー・ロビンス      5.7億 グレンビュー・キャピタル・マネジメント
8 デビッド・ショー      5.3億 DEショーグループ
9 アンドレアス・ハルボーセン 4.5億 バイキング・グローバル
10 チェース・コールマン    4.25億 タイガー・グローバル
※単位:米ドル

 ケネス・グリフィン氏は今回が初の1位。現在46歳となったが、運用の才能はハーバード大の学生時代から一部では知られた存在で、早くから将来を嘱望されてきた。報酬額は13億ドルと、例年よりも低水準となったが初の栄冠を勝ち取った。

 シタデルの旗艦ファンドである、ケンジントン&ウェリントン(マルチストラテジー)は2014年は年率18.3を達成している。これまでにも、2009、10、12年とそれぞれ20%超の年率リターンとなっている。シタデルは、前FRB議長のバーナンキ氏も上級アドバイザーに就任するなど、業界でも一目置かれる存在。

 今回は展開に恵まれた感もあるが、20歳から運用を始めたシカゴを拠点とする早熟の天才がようやく頂点に上り詰めた。

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