神奈川県の年収1000万円比率、世帯年収、1位は横浜市青葉区

長寿の街、私立中学進学率1位


 厚生労働省が発表した「市町村別生命表」の平成17年分では、横浜市青葉区が平均寿命81.7歳で全国1位に。続く22年分では81.9歳で全国8位となった。全国屈指の長寿の街と報道されて、このデータが広がっていった。

これについては青葉区保健福祉課が独自に調査しており、がん、心疾患、脳血管疾患の三大疾患が全国と比べても低いことが判明している。喫煙率は11.60%で、横浜市平均19.0%、全国平均24.20%よりもかなり低い(平成17年)。横浜市内18区の中での比較でも、喫煙、味付けの濃さ、飲酒量、肥満度、血圧とも最も低い。

この調査に対する有識者のコメントも興味深く、所得や教育水準との相関関係を認めているのだ。その一部を抜粋する。

◆中京大学情報理工学部 種田行男教授 「なぜ青葉区民は自分をコントロールできる人が多いのでしょうか? おそらく、青葉区民の教育水準が高いことが起因しており、このことは青葉区民の平均年収の高さからも推察できる」

◆日本福祉大学大学院社会福祉学研究科 近藤克則教授 「所得水準の高さも、死亡率やうつ、転倒歴など多くの健康指標と関連している。教育歴が短い人で、外傷死が多いことも、日本で確認されている。市町村などの平均所得が高い地域ほど死亡率が低いことも確認されている。以上より、趣味活動・地域活動が活発で人々のつながりが多く、平均所得が高いことなどが、青葉区の平均寿命が長い原因として考えられる」

こうして、長生きするほど富が富を生んでいくことになりそうだ。

また、私立中学への進学者も多い。私立中学進学予定者の割合が高い区では、青葉区がトップで27.3%だった(横浜市教育委員会調べ)。横浜市全体の私立進学予定者16.1%を大きく上回っている。最近では、青葉区あざみ野に、慶応幼稚舎初等部が開校したことで、市外の私立を目指していた層が、第一志望を変えてくるかもしれない。

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