銀座ママの「枕営業」に溺れた社長に待ち受ける財産分与と甘い罠

ペナルティ、ノルマ怖さに…、でも恋愛もあり

 「(枕営業を)やっている子がいるのは、当たり前って? それはありえない」。


 裁判の内容を聞いて、そう憤るのは銀座で約10年のキャリアのある30代のホステス渡辺美由紀さん(仮名)だ。「公知の事実」とまで言われてしまったのだから、心中は穏やかなはずはない。「そこは男女だから絶対に恋愛にならないとは限りませんが、それは別として、頼まれてイチイチ応じていないし、うまく交わすことができるかどうかも、良いホステスかどうかの分かれ目です。また、1回応じてしまうと、もうお店には来なくなるでしょうしね…」という。

 まったくその通りだろう。ただし、「100%ないかと言われれば、それはわからないですけど」ともいう。というのも、月に1、2回は同伴日が決められており、例えば親しい客がいない子はかなり困ることは言うまでもない。ノルマやペナルティが怖くなってしまい、枕に突入してしまうということも皆無とまでは言えなさそうだ。出し惜しみしながら交わしつつ、そして引っ張るという芸当ができなければこの世界では生きていくことはできない。

 「それができないと、ペナルティとして給料を1日分引かれるとか、みなさんが想像している以上に続けるのも厳しい職場です。ノルマが嫌なので、ヘルプ専門に回る子もいます。ノルマもないので副業としてなら長く続けることもできます」

 では、ママの場合はどうなのだろうか。銀座のある黒服は「ママは店全体の売り上げに責任を持つ立場ですが、売上がどうにもならないからといって、ママが『枕営業』をすることはありません」とキッパリ言う。もちろん、ママの場合も客との恋愛は別だという。

 今回は「枕営業」が司法の公認を得てしまったため、「恋愛」も枕営業として認定されたも同然のため、客は手放しで喜ぶのだろうか。

1 2 3
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる