AIJ問題「京都の野村はヤバイ」

 年金不安を多くの人が感じている中で、投資顧問「AIJ投資顧問」が年金資産約2000億円を消失させた問題が世間を驚かせている。その事件のカギは京都にあると業界関係者は言う。証券業界で日本一の激戦区と言われているのが京都。この土地を制したツワモノが、年金を食い荒らしてしまった。

京都のエースから野村のエースへ

 「ええか、京都を制するもんが、日本を制するんや」

 かつて4大証券会社の2社、大手保険会社を渡り歩いた大物OBから、そのような教えが受け継がれてきたという。


AIJ投資顧問が入るビル(東京・日本橋)
 大手証券の中堅営業マンは「京都はおそらく日本でも一番、支店の売上は多いはずです。お寺が多いということもありますが、何百年と富を貯め込んでいる土地だからです。だから、各証券会社とも営業はエースが登板しますし、出世コースです。特に京都の野村はヤバいですね」と京都の事情を語った。

 「ヤバイ」というのは、もちろん褒め言葉。すでに寺院は野村の手の中にあるそうで、多くの大口顧客を掴まれているという。京都に配属される若手は、何とか野村王国の隙間を狙って営業するのだという。

 そして、AIJ事件だが、約2000億円という巨額の資金を集めるはハンパではない営業力。AIJの浅川和彦社長は、その京都支店でナンバー1営業マンだったというのだ。つまり「日本一の証券営業マン」と言っても過言ではなかった。

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