グランフロント大阪、まち開きで沸く関西、課題はオフィスと2期

 4月26日、JR大阪駅北側の旧梅田北ヤード再開発地域(うめきた)が街開きを迎え、大阪が沸いている。商業施設、ホテル、研究機関、高級マンションなどが集まる先行開発地域「グランフロント大阪」と呼ばれる地域で、約700席もの「世界のビール博物館&世界のワイン博物館」や「無印良品」の旗艦店を含む266店がオープンした。国鉄民営化で生まれた“西日本最後の広大な一等地”は、構想から20数年を経て、大阪再生の切り札となるだろうか――。

平均1億4000万円のマンションはすでに完売

 グランフロント大阪の北の端に建設されたマンション525戸は、2月に完売した。「平均価格が1億4000万円で、内装はホテルみたいで住みにくそうだったのに。大阪の景気も良くなっているのだろうか」。モデルルームを見に行ったという50代のサラリーマン男性は驚きを隠さない。


 マンション完売だけではない。開業日には、朝から長蛇の列となり、初日の人出は32万人にも達した。関西はいま、グランフロント大阪の話題でもちきりだ。

 「うめきた」の総面積は24万平方メートルにも及ぶ。東側の先行開発地域7万平方メートルが「グランフロント大阪」。再開発構想の歴史は、1987年の国鉄民営化にまでさかのぼる。国鉄職員の巨額の年金負債返済のため、旧国鉄所有の土地売却が始まり、うめきたの再開発構想もスタートした。

 だが、プロジェクトは難産だった。

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