「二代目筆談ホステス」早乙女由香さんの壮絶半生(1)

映画のヒロインにならないか?


東京・銀座
 少し足が遠くなっている間に、夜の銀座も随分と様変わりしているように見える。新しいビルは増えたようだが、心なしか道行くホステスさんが少なく、「華」が足りないようにも感じる。景気はまだ暗いのだろうか?

 聴覚障害のあるホステスが青森から上京し、銀座でNo.1に成り上がった半生を描いた物語「筆談ホステス」が発表されたのが、ちょうど昨年の今頃。全国で巻き起こったブームは今でも記憶に新しい。障害があっても立派に働ける、ということを全国の人に印象づけた。そして、その斉藤理恵さんは育児のために一旦は引退…。しかし、もう銀座では新しい物語が始まっていたのだ。

 理恵さんが働いていた銀座の同じ店「クラブM」。その影響を受けて「自分もできるのでは」と、重度の聴覚障害を持っている女性が訪ねてきた。その名を早乙女由香さん(24)。数万人に1人しかいない先天性の重度の聴覚障害を持つ。と同時に、映画「バベル」のヒロイン役に、とアレハンドロ・ゴンザレス監督が出演交渉をしたほどの美貌を併せ持つ。

 女手ひとつで1歳の男児を育てる母であり、日本女子大の通信科で学ぶ学生であり、そして、銀座で働く筆談ホステスと一人三役をこなす由香さん。これまでの壮絶な半生、そしてこれからを、筆談で「YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)」に語った。

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