「進駐軍」と呼ばれるパナソニック

グループから「進駐軍」と呼ばれるパナ社員


 パナソニック電工と三洋電機の社員が、来年春に100%親会社となるパナソニックのことを「進駐軍」と呼んでいる。完全子会社化に向けて、パナは両社に対し、事業統合を進めるためのプロジェクトチームを派遣しているが、そのチームが戦後日本を支配したアメリカ軍のように見えるようだ。来年春に向けて、融和が進むのだろうか。

 両社の反発は、社章の着用状況でも明らか。パナ電工社員は、松下電工時代の「M矢」社章にプライドがあった。菱形の中をMの矢が貫くデザインで、創業者である松下幸之助が制定したものだったからだ。2年前に社名がパナソニック電工に変わり、社章が「Panasonic」となってから、「外で社章をつけない社員が増えた」(パナ電工40代社員)という。

 パナ社員は「Panasonic」社章とともに、グループの環境活動を象徴する「eco ideas」バッチをつけている。パナ電工と三洋の社員にも同じバッチが配られているが、2社の社員はあまり着用しない。「進駐軍と接するときだけは、つける」(三洋30代社員)とも。

 パナは、パナ電工株と三洋株に対して、8月下旬から株式の公開買い付けを実施した。10月上旬までの買い付け期間に、パナによる両社株の保有比率は80%を超えた。残る株については株式交換を行い、来春に両社は、パナの完全子会社となり、その後1年かけて、3社で事業再編を行う。

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