巨人愛のクーデター「清武の乱」は失敗か

 日本のマスコミ界のドンであり、同時にプロ野球界のドンでもある読売新聞グループ、読売巨人軍で、クーデターが発生した。清武英利球団代表が、グループ本社会長の渡辺恒雄氏に弓を引いたのだ。大いに世間の関心を集めたことは確かだが、しかし、このクーデターは分が悪く失敗に終わりそうだ。

身内「そんなことか」

 「コンプライアンス上の重大な件」


東京ドーム。右の看板は坂本勇人選手
 何やらよほど重大な発表なのだろう。11月11日午前、誰もがそう思ったことだろう。大王製紙、オリンパスがこの問題に直面している真っただ中であり、ついに巨人にも飛び火か、と思われた。しかも「プロ野球界のルールにかかわること」とし、文部科学省を会見場所に指定するなど、ただ事ではないと感じさせるには十分だった。

 しかし、フタを開けてみれば、巨人の1軍ヘッドコーチ人事を巡って、岡崎郁氏と渡辺恒雄氏に報告した後に、江川卓氏に変更したという趣旨のものだった。

 会見を見た読売新聞社員は「そんなことか、と思いましたよ。コンプライアンスや、プロ野球界のルールというから、少し驚いていたんですけど」と正直な感想を漏らした。ただし、マスコミ界、プロ野球界を牛耳る読売新聞グループ内での一種のクーデターということもあり、翌朝の各新聞には大きく報道された。

 現オーナー桃井恒和氏はすぐさま反論し、一夜明けて、名指しで批判された渡辺恒雄氏も反論した。戦線は拡大しているが「これは清武さんの負け」(スポーツ紙デスク)と見られ、すでに勝負は決した感もある。

 清武の乱はどう決着するのか。

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