現役の電力会社の社員が議員として、国政や地方の議会に送り込まれている。ただ、昨年3月の東京電力福島第一原発事故、さらには西澤俊夫社長が電力料金値上げを公言する中で、社員給与と議員報酬を二重に受け取る行為はもはや見過ごすこともできない問題となっている。東電労組は昨年の統一地方選挙では14人を擁立し全員が当選するなど、確認できただけで現在19人いる。
19人の東電「組織内議員」
組織内議員という言葉は、電力業界では広く知られた言葉。文字どおり組織とは電力総連系の議員ということになる。問題となるのは、対外的に電力料金の値上げを迫りながらも、議員に社員としての給与を支払っていることだ。
東京・杉並区の安斉昭議員が現職の東電社員であることは、すでに同社も認めている。ただ、ゆかしメディアが調査しただけで、「組織内議員」は東電管内だけで19人もいる。現在も現役社員かどうかは本人も会社も公表しておらず不明だが、以下はその議員たちだ。
◆東京都 安斉昭(杉並区議)、相澤耕太(八王子市議)、石黒達男(練馬区議)、大石富巳夫(立川市議)
◆神奈川県 石渡由紀夫(横浜市議)、山田益男(川崎市議)、井原義雄(小田原市議)
◆埼玉県 黒澤三千夫(熊谷市議)、矢島章好(春日部市議)
◆千葉県 天野行雄(千葉県議)、吉田峰行(市原市議)
◆群馬県 角田修一(前橋市議)、山田光次(高山村議)
◆栃木県 駒場昭夫(宇都宮市議)
◆茨城県 小室正己(水戸市議)
◆山梨県 卯月政人(大月市議)
◆新潟県 相澤宗一(柏崎市議)
◆福島県 高萩文孝(双葉町議)
◆静岡県 鈴木秀郷(沼津市議)
東電管内の関東地方以外にも、原発が立地する柏崎市(柏崎刈羽)、双葉町(福島第一)や、あるいは山梨、静岡といった支店などが所在するところまでカバーエリアは広範囲にわたっている。