エリートで年収1億円の米国の弁護士が、自分が当事者として妻との離婚の調停を行い、もうすぐ3年になる。米国では、離婚もビジネスで、双方の弁護士はあらゆる戦略を駆使する。このエリート弁護士もあらゆる戦略を駆使しているが、3年もの長期戦になっているのは、とても年収1億円だと信じられないようなセコさと子供じみた理由からだ。
高学歴、高収入の理想の夫婦
そして、オラクル社長宅の近所で、ベッドルーム5室、バスルーム5室、別棟のゲストハウス、プール、テニスコートが敷地内にある豪邸に住んでいた。ほかにも車で約2時間のところに海の見える別荘と、サンフランシスコ市内のマンションの一室を所有していた。
弁護士の夫はハーバード大、同ロースクールを卒業し、いくつもの大きな企業の案件に携わる。ルックスはやせ形でいかにもインテリタイプの50代半ばの紳士。しかし、妻の弁護士から離婚の申請の分厚い封筒を受け取った3年前のある日から生活は一変した。
妻からの離婚申請こそ裏切り行為だと考えるようになった。妻への憎しみを押さえきれず、一円たりとも妻に払いたくないために、妻へのイジメとなりふり構わない資産防衛のためのドけちな戦略を駆使するようになった。