完売続出! マレーシア不動産投資に潜む危険

現地の人が買う不動産価格との差は3倍以上

 マレーシア政府は外国人が購入すること出来る投資額に最低価格を設けている。現行50万リンギッド(約1500万円)。

 クアラルンプールの都市部で新規に売りされれているプレビルド(これから建設を始める物件)のコンドミニアムは1300リンギッド/平米程、ジョホールバルの一等地のプレビルドが、800-1000リンギッド/平米(240,000-300,000円/平米)のものが多い。

 ここで気をつけたいのは現地の富裕層が購入している価格との乖離。現地のマレー人の購入平均単価とは、特にジョホールバルの場合まだ3倍ほどの乖離がある。現地のアッパーミドルの人たちの賃金が数年でこのレベルまで上昇するのは難しい。つまり賃貸需要がなく、売り手が限られるということだ。

 

外国人の最低購入価格の引き上げ

 最後3つ目は、更に投資の冷や水になるニュースがある。

 ジョホールバルのあるジョホール洲が、外国人の不動産価格の購入基準を 現行の50万リンギッドから100万リンギッドに引き上げることを検討していることだ。


実際の販売物件のモデルルーム
 まだ確定ではないが、既にペナン州で実施されていること、そして近年のジョホールバルの不動産価格の急激な高騰を抑えるために施行される可能性が高いという。これは今後、100万リンギッド以下の物件は外国人に売れず、現地の人にしか売れないということになる。そして現地の人が購入する価格帯とは現状、大きな隔たりがあることから、不動産投資の出口が急激にしぼんでしまうということを意味する。

 特にジョホールバルの高額コンドミニアムの購入層の8割は外国人。今回の法改正が不動産市場を大きく冷え込ませる可能性があるだろう。

 もちろんマレーシア不動産は、対GDPで比較してもまだ割安感があり、上昇の余地が見込める。また資源国でもあるマレーシアリンギッドは長期的には円やドルに対して上昇すると見られていることから、巧くタイミングと物件を選べばメリットもありそうだ。

 物件を選ぶコツについては、次号の記事でご紹介したい。

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