ラガーフェルドなどアルノーアレルギー多数
実家の不動産・建設業を継いだアルノー氏だが、欧州のブランド業界に米国式の資本論理を持ち込んだことは今更説明するまでもない。カール・ラガーフェルド氏、トム・フォード氏ら大御所デザイナーをはじめ、ブランド業界には、アルノー氏の手法を嫌う人は多い。
クリスチャン・ディオールを皮切りに、次々と半ば力づくでブランドを傘下に納めていったのは周知のとおり。グッチを巡ってのPPRとの買収合戦では、アルノーだけには買わすまいとするPPRとグッチが共闘し、買収はならなかった。

ベルナール・アルノー夫妻。
左はナターリャ・ボディアノバさん
とにかくブランドのM&Aにこだわるのは、規模拡大というよりも、時間で醸成されたブランド価値を買うという側面が強い。ブランドにはそれだけの金銭的な価値があるということを世界一わかっている面もある。
あらゆる主要ブランドを収めたLVMHだけに、残る大物上場ブランドはエルメス、バーバリー。この2社が最後のターゲットだと見られていた。