更なる医療崩壊の引き金!? ~大病院「初診料一万円」が孕む危険性

開業医を受診する医者はいない!?

 厚生労働省の考えでは
【1】 まず開業医を受診し、そこでトリアージを行い
【2】 必要に応じて大病院を紹介する

 という制度にしようとしているようだが、ちなみに筆者自身病気になったとして診療所で受診しようとは思わない。なぜならその診療所の医師がどういったキャリアの持ち主でその診療内容がどのくらい信用できるのか、まったく予想できないからである。

 診療科さえ自由に標榜する事ができる日本社会において、誰からもフィードバックがかからない環境で勤務をしている開業医も少なくない。すでに時代遅れになった医療やあまり一般的ではない個性的な医療を十分な説明もなく行っている診療所も実際に存在している。

 もちろん一概に「診療所はレベルが低い!」などと失礼な事を言っているわけではないので誤解はしないで欲しい。内視鏡治療や不妊症治療などの高い専門性を売りにしている診療所もあれば、家庭医療に精通した医師が営む診療所も存在しており、尊敬できる医師も多くいる事を強調しておきたい。

 大病院にも診療所にも、「無気力ドクター」「コミュ障ドクター」「拝金ドクター」そんな問題ドクターはどこにでもいる。ただ医師の数も交流も多い大病院では医療の質を保ち得ても、診療所の場合は評価機構が全くないためにその開業医個人の資質に大きく依存する事になってしまう。

 そして非常に残念な事に実際の医療には関係のない外見的要素さえ取り繕ってしまえば上記問題ドクターを患者レベルで判断する事は一般的には非常に難しい。

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