更なる医療崩壊の引き金!? ~大病院「初診料一万円」が孕む危険性

公的病院ができる役割

 最後になるが、患者の医療資源への自由なアクセスを制限する今回の政策を導入するつもりなら、アクセス制限が医療の質を下げる事がないような工夫も同時に検討するべきである。そうじゃないと、今後は「診療所の評判の良い町ランキング」が雑誌の表面をかざり、住宅購入の指標となるだろう。

 具体的な政策として筆者は、「市立/県立病院の出先機関としての診療所を各地に設立する」というアイデアを提案してみたい。

 医師も市立/県立病院から交代で派遣するような制度にしてカルテや検査データなども共有すれば質の管理も診療情報の共有も行いやすく、より開かれた効率的な医療が行えると思うのだが如何であろう。

 確かに既存の個人診療所との住み分けなどの課題も多く現実主義者からは「机上の空論」と批判されるかもしれない。ただ実行は難しいが効果が期待できる「机上の空論」の事を筆者は「夢」だと呼び、追い求めたい。

1 2 3 4
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる