愛人遊びと不動産投資を両立する方法と相続の留意点

相続のためにも登記は必要

 夫が亡くなり、愛人マンションの所在が妻の知るところとなったが、さて、そのマンションは誰のものになるのか。実は、橋下氏も登録する大阪弁護士会のホームページには次のようなQ&Aの例が掲載されている(抜粋)。

◆質問
 夫は不動産業などの事業を営んでいた。しかし、亡くなって相続のために財産手続きを行っていると、妻には内緒で愛人マンションを所有していたのだ。退去を要求したが、愛人は夫から生前に口約束で譲渡されたのだと主張したそうだ。

◆回答
 判例(最高裁、昭和46年10月28日)によると、登記が夫である限りは、給付があったとは言えないとして、所有権移転を認めなかった。つまり、マンションは妻が相続するということになる。

 仮に、マンションを愛人が贈与を受けたことが証明されても、愛人関係の維持という不法目的のための贈与については、民放で次のような定めがある。民法は、「不法の原因の為め給付を為したる者は其の給付したるものの返還を請求することを得ず」(民法第708条)としている。

 愛人側から言えば、贈与の有無について、所有移転登記を行うなど贈与のあったことを書類などで証明できるようにしておくことが必要だ。ただ、贈与が証明されても、当然「不法原因給付」の問題として検討される。

 ただ未登記の不動産については、最高裁判決(昭和45年10月21日)では、愛人を入居させているだけで「給付」を認め、所有者を愛人だと判断している。

 愛人遊びの初心者は、十分に留意をしておいた方が良いだろう。

 また、逆に愛人側も手切れ金などを得たとしても、その後、マンションを自分で購入して、税務調査官に探られてしまい、贈与税の無申告を見破られたという例も実際に存在する。

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