世界的名門ワイン造醸家「プリムム・ファミリエ・ヴィニ」来日ディナー【2】

「ファミリーで経営すること、それが最も重要」

 今回のガラディナーで、ゆかしメディア編集者は特にシミントン・ファミリーエステーツのポール・シミントン氏とゆっくりとお話をすることができました。

 シミントン氏によると、これまでPFVのような高級ワインの造り手が集まる会は他に例がなかったものの、ちょうど1ヶ月前、オーストラリアに12のワイナリーオーナーを集めた同様の会が発足したとのこと。シミントン氏は「僕らの会に影響を受けてその会ができたそうで、真似してもらえて嬉しかったよ。オーストラリアワインの品質向上のために、造り手家族が協力するというのは非常に良いことだと思います」と語っていました。また現在PFVは11家族ですが、やはり12という数字の方がきりが良いため、会の条件を満たすワイナリーが現れれば追加されるだろうとも仰っていました。


シミントン・ファミリー
 また、シミントン氏はファミリーで経営することが最も重要だと語っていました。
「どのワイナリーも家族だけでやっていますから、2~4人くらいで経営しているところが多いです。この『家族経営』ということが、PFVの最も重要な条件。家族経営でなくなったために、抜けてしまったワイナリーも過去にあります。私たちの目的は、各ワイナリーの伝統と価値を守り、その理想を後世まで伝えていくこと。それを果たすには、長期的視野でワイン造りの品質向上に取り組み、ワインに対する高い倫理観を持って努力することができるファミリービジネスという形が必要なのです。」

 例えば、PFV最古のワイナリー、マルケジ・アンティノリは現在26代目。彼らPFVのファミリーが背負うのは、ワインという単なる商品ではなく、各国の歴史であり文化でもあります。それを今後も次世代に継承していくためには、各ファミリーで情報を共有し、共に学び合い、協力していくことが重要。ワインと歴史が密接に結びついたヨーロッパだからこそ、PFVのような会が生まれたと言えます。

 ディナーは数時間のことでしたが、彼らのワインに対する真摯な情熱と、常に最高のものを追求し続ける探究心に大変感銘を受けました。PFVの次世代がどのように育ち、どのようなワインが造られていくのか。ワイン業界に絶大な影響力を持つ彼らの今後を、ゆっくりと見守っていきたいと思います。


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