資産6兆円の大富豪ビル・ゲイツ氏を支えたファミリーオフィス

ロックフェラー家がファミリーオフィスを拡げた

 日本ではあまり馴染みのないファミリーオフィス。その起源は古代ローマ時代にまで遡るとまで言われている。近年、この概念を拡げたのはデヴィッド・ロックフェラー氏だとされる。石油業に始まり、金融業、航空宇宙産業などを手中に収めて巨大なコングロマリットを築き上げたのは皆さんもご存知の通り。1882年に、ロックフェラー家の個人資産や慈善資産を運用するためにニューヨークに事務所を設立し、他の大富豪たちもこれに倣うようになったという。

 一般には、資産100億円のウルトラ富裕層と呼ばれるファミリーが、自ら家族のために雇う資産管理のプロ、弁護士、税務の専門家、会計士、そして各方面に明るいコンサルタントたちで構成される専属チームのこと。その数は約3000にも上り、従事者は5万5400人と言われている。

 かつては敷居が高かった対象も、今は下がり数億円レベルでもサービスを享受できるほどに一大規模のマーケットが形成されるに至っている。もちろん、何らかの報酬をもらう以上は商業目的なのだが、ロックフェラー社が現在では、ウォール・ストリート・ジャーナルに広告を載せているのが、それを象徴的に示してもいる。

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