資産6兆円の大富豪ビル・ゲイツ氏を支えたファミリーオフィス

松下家も盛田家もファミリーオフィスがあれば…

 日本の旧世代の富裕層の間ではファミリーオフィスという概念は乏しい。近い存在として「資産管理会社」なるものがあった。例えば、ソニーの創業者の故・盛田昭夫氏には管理会社として「レイケイ」を持っていた。かつてはソニーの筆頭株主でもあったが自動車レース事業などで失敗。また、パナソニックの創業者の故・松下幸之助氏の資産管理会社「松下興産」は大型リゾート開発に失敗するなどし、現在はすでに解散している。結果から見ても必ずしも十分な機能を果たしていたとは言いがたい。

 ただ一方で、既存の金融機関は金融商品の推奨・販売、以上のサービスは提供してきた事例はほとんどないという。金融機関や資産管理会社の存在は、国内の大富豪の資産運用面のニーズにさえ応じきれていなかったということかもしれない。ならば、欧米のファミリーオフィスが日本に乗り込んでくれば・・・。そう思うのは自然な流れだが、日本には事業オーナーがほとんどだったために自社株など資産の大半が流動化できない場合が多かった。

 そんな状況では、いかにロックフェラーといえども、リスクを取って乗り込むほどのリターンを想定しきれなかったのだろう。ただし、最近では金融危機の影響もあり、子弟教育、社会貢献などで様々なニーズが海外の大富豪だけでなく、日本の富裕層からも出てきており、この市場は一気に華やかになってゆくかもしれない。

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