相場で勝ちたいなら、「悪い人」になれ

「悪い人」になれ

 個人投資家の90%が負けると言われる相場の世界で、負ける典型的なタイプを挙げるとそれは「素直な人」「一般市民」だという。

 「相場の世界で戦うプロは、鬼のような一面を持っているから勝っているのです。まるで、ジキルとハイドのように、真人間と相場用の人格を使い分けるくらいでないと」

 Heyward氏をはじめ兼業投資家は普段、日常生活をいとなんでいる。そこでは他人を思いやり社会のルールや道徳を重んじなければならない。一方で相場の世界では、プロが一般社会とは違う価値観によって、投資を行っているのだ。

 「一般人は株価が上がれば景気も給料も上がって、暮らしぶりが良くなると喜びます。しかし、プロは株価の上昇を素直に喜ぶばかりではありません。時には空売りをして、『上がり過ぎている株価を補正してやっているんだ』と正当化するのです。売るということは、現在の景気を否定するようにも見えて、一般の人には気が引ける行為なんですが。そして、プロは株価が下がったら、安く買えると喜ぶんです」

 プロは買いに対しても、売りに対しても思い入れがないということになる。たとえ、世間と一人だけ別行動を取っていても怖くない、というくらいの度胸も必要なのかもしれない。

 ちなみにHeyward氏も「わたしは社会人・投資家としての人格はキッチリ分けるようにしていますよ」という。

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