最強の不動産投機集団「温州商人」の次の狙い

ドバイの不動産も今やとばかり物色

 そんな温州商人たちも、昨年は世界的な金融危機で大きな痛手を受けた。ドバイ・ショックによる不動産価格の暴落により、売るに売れない「塩漬け」不動産を大量にかかえ、その額は約30億元(約400億円)に達したといわれる。また彼らが省外の炭鉱450か所に投資した500億元(約6700億円)を越える資金も、150億元(約2000億円)の損失を出した。

 しかし、温州商人のパワーはどこまでも尽きることを知らなかった。春節(旧正月)休暇中には、再びドバイを訪れ、大きく値下がりした不動産を買い求めた。完成したばかりの世界一の高層ビル「ブルジュ・ハリファ」(828メートル)内のマンションなども対象で、ある温州商人は「温州の住宅価格は1平方メートルあたり6万元(約80万円)だが、ブルジュ・ハリファは現段階で7万元にすぎない」と“お買い得物件”との見方を示したという。

 この温州商人たちは、中国・海南島の不動産バブルも深く関係していると見られるが、今度はそのマネーが南京市に流れ込んだようだ。

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