「AKB商法」で吉本興業のNMB48は成功するか?

懸念する点は2つ

 吉本興業の手持ちの資産を活かして、うまくビジネスは軌道に乗る、という意見も多いものの、一方で成功は難しい、とする意見もある。主な声を総合すると次の2項目に分けることができるだろう。

・吉本興業がアイドルで実績がない
・AKB48人気は今がピーク

 まず吉本興業はお笑いが専門。現在では総合芸能プロとして、俳優、スポーツ選手、文化人らも手掛ける。ただし、屋台骨はお笑い。過去に手掛けたアイドルは失敗しているのだ。例えば、関西のTV局との番組企画として始まったアイドルユニット「バトギャル」も泣かず飛ばず。グラビアアイドルユニット「YGA(よしもとグラビアエージェンシー)」(社長・山里亮太=南海キャンディーズ)も現状では大きな成果は残せていない。


「ベスト!モーニング娘。1」より
 さらにアイドルの人気は長く続かないという点。「モーニング娘。」の人気のピークが売上や露出から総合的に判断すると、1998年から2002年の5年間と見られる。国民的アイドルグループと言えども、やはり5年くらいがピークなのだ。

 AKB48の場合は、全国ツアー開始、さらには紅白歌合戦出場の2007年にピークが始まり、総選挙で国民的アイドルになった2010年は、頂点とも思われる。命は2011年までか。投資の世界で言う、高値掴みになりかねない。

 時流を読むのが難しい芸能界。成功か失敗かは、時の運にもよる。

 吉本興業と言えば、売店で販売したミカンで、お客さんが食べて捨てたミカンの皮を干して、それをさらに販売していた、というギャグが芸人の間でもネタにされたほど。そのくらい商魂たくましい会社としても知られる。NMB48を成功させることができるかどうか。11月に幕が開く。

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