嫁入り道具は母の家計簿
中学受験の日、入学式など、阿部家では『その日になにを食べたか』がすぐにわかります。16年以上も続いている、母の家計簿のおかげです。
家計簿には、日々のお金の出入りだけでなく、その日のメニューが記録されています。季節の食べ物、おせち料理、節分の恵方巻、中秋の名月のみたらし団子、秋の栗ご飯などはすべて手作り。ほかにもけんちん汁など母の家に伝えられてきた食文化を継承しようとしているとのことです。
家計簿を見ながら、子どもたちが小さいときに作った料理をいくつか紹介してもらいました。
薄切り肉を重ねてパン粉をつけ、キノコやチーズをのせてフライパンで焼いた牛肉の重ね焼きや忙しいときに作った親子丼(後ページでレシピ紹介)、オムライスなど…。
「レトルト食品や冷凍食品は割高になるので使いませんでした。サラダのドレッシングやホワイトソースも、家族4人分だと作った方が安上がりなので、市販品は使いませんでしたね」
経済的な母の手で細かく記載された阿部家の歴史が詰まっている家計簿。母は娘が結婚するときには、この家計簿を嫁入り道具にして欲しいと思っているそうです。