徳川慶喜家当主・慶朝氏【1】「もし18代将軍になっていたら」

薪を割り、かまどでご飯を炊く生活

―食にはかなりこだわりがあるそうですが。
「はい、自分で料理をすることも多いですよ。朝ご飯は毎日自分で作っていますし。今の家には玄関を入ってすぐの場所にかまどがあって、薪で火をつけてご飯を炊いています。家を建てる時にシステムキッチンではなくて、かまどと煙突をつけてもらいました。かまどで炊くご飯は本当に美味しいですよ。朝ご飯のおかずは、松花堂弁当のような9つの仕切りがある漆の器を買ってきて、そこに9種類入れて食べています。味噌汁とご飯は別で。贅沢な気持ちになれるし、その方が楽しいでしょ。

独身で1人暮らしが長いので、家事は何でも自分でできます。今の生活は気楽で、何も不自由なことはありませんし、寂しくもないです。もし今後、生涯一緒にいたいと思えるような女性に出会えば、変わるかもしれませんが…。

将軍は周囲の人に常に見られながら食事をしていましたが、私は作るのも食べるのも1人。もしいきなり倒れても誰にも騒がれないし、そう考えると江戸時代から随分時間が経ったんだなぁとは思いますね。」

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