裏社会からの脅迫も
結局選んだのは「起業」だった。わずか3万元を携えて古紙の回収リサイクル会社を始めた。古紙リサイクル業を選んだのは、ある製紙工場の関係者の話が頭にあったからだという。
「古紙は森林と同じだ。将来製紙業は必ず古紙再生の方向に向かうだろう。ただ、今香港が輸入している紙はどれも水分が多く品質が良くない。これを何とか変えたいのだが」という言葉が創業の大きな方向性を決めたといえる。
張茵氏は徐々に古紙回収ネットワークを築き、香港銀行から融資を受けるなどして、一歩一歩事業を発展させていった。さらに常に品質第一を考えたが、これは同業他社から見れば面白くないこと。
時には裏社会から脅迫の電話がかかってきたことも。それでも怯むことなく経営を続け、ついには香港市場でトップになった。古紙回収業者たちは、みな彼女と商売することを望むようになっていた。