デカい事を言っちゃえばいい
ひと口に10億円と言っても、純利益ベースで、東証1部上場企業でも10億円を出せない期もある。それを個人でやってしまおうというのはスケールが大きな話だ。スタートはハードルの低い所に設定するのがいいような気もするが、たとえば1億円ではダメなのだろうか。
―10億円という金額設定の根拠は何ですか
テリー) (少し考えて)言っただけです。でも逆に、言っただけというのは、ある日、二十歳の若者が「田園調布に家を建てたい」と言ったとする。だけど、それを目指して頑張るじゃないですか。みな誰しもそうだと思うんですよ。地方から出てきて「俺、世田谷に100坪の家建てるんだからよ」という感じで、「俺はハワイに高級コンドミニアム買うんだ」というふうに、最初はみんな言っただけだと思うんだですよ。でも、そういうのでいいんじゃないかなと思って。
デカイとデカイ考え方するんですよね。最初に小さい額、1億円っていうと1億円のアイデアしか出てこないんですよ。10億円というと10億のアイデアが出るんですよ。
普段10億円というのはなかなか聞かない言葉だけど、俺の周りの人に映画のことを話してみたら、ほとんどの人は「宝くじ買うの」「株買うの」「競馬に入れたの」ですよ。日本人に聞くと帰ってきた答えは、その3つくらいでしたね。そう、貧困なんですよ。みんなが10億円稼ぐと聞いたあとは瞬発力(行動力)がないですよね。
―テリーさん自身のデカい発言の経験は
「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」(85~96年)が始まる時にスタッフみんな集めて言いましたね。でも、全然自信がなかったんですよ。言うだけ、大風呂敷。(振り返って)できたかどうかはわかんないですけど、なんかね、そういうのね、別に言っていいか悪いかじゃなくて、言ったもん勝ちなんですよ。一生懸命目指すじゃないですか。
この映画も言っちゃうと、油断できないし、おろそかにできないじゃないですか。