あなたはロスカットできるか?
板倉氏はナスダック上場のため、ハイパーシステムを米国でサービス開始するために資本をつぎ込んでいった。しかし、足元の日本国内でも思ったような事業成果が出ていない中での挑戦は、ある意味で無謀。米国を一時撤退してでも、国内に絞るべきだったのではないか。そうすれば、国内だけでも上場は可能だったかもしれない。つまり板倉氏は、ロスカットできなかったのだ。
以下板倉氏)撤退は大事な判断ですし、とても難しい。まだ負けが確定していないのに、自分の意思でやめなければいけないというのは、株式相場でいかにロスカットが難しいということに通じます。自分で決めたルールを守れないために、どれだけ多くの人が損をしていることか。
結果的に、僕はアメリカをやめれば良かったのです。でも、5、6億円はつぎ込んでいたし、(大金を)捨てることになるので、やはりやめられないですよ。
日本もあったし、それに韓国はライセンス方式でうまくいったので、米国でもそうすれば良かった。経営経験のある人は「時期尚早だった」とみんな言いますね。たらればばかりになりますけど、人生とは全部そうですよ、ほんと…。
(ベンチャーキャピタリストとしての板倉氏の元に)誰かがアイデアを持ってくると、今の僕なら「ちょっと待て」と言えます。急がせて良かった試しはありません。事業でも女性をクドくのもどっちかで迷えば、急かさない方がいい。少なくともケツはたたかない。そのほうがうまくいくと思いますね。
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