開成高校時代~ひたすら成績が落ちていく
高校に入って1学期の中間テストはクラスで4位。運動会にエネルギーを注ぎすぎたこともありますが、何かが自分の中でぷつっと切れたのです。中3までは試験前夜は徹夜して、試験を受けて帰宅したあと夜まで寝て、それから夜を徹して勉強するという精神力を要する勉強法で1位をキープしてきたのですが、高校に入るとエネルギーを使い果たして、精神的に疲れてしまい、1位じゃなくてもいいと思うようになった。4位でも成績としては十分だと思うのですが、1位が崩れたことで「遊んでしまえ」という気持ちが芽生え、次第に勉強から遠ざかって行きました。
高1の2学期に『校内模試』という範囲のない実力テストがあるんですが、最初は20位、それ以降は60位、150位とどんどん落ちて行きました。勉強をしていなかったことに加え、実力テストなので付け焼刃の勉強では全く歯が立たなかったんです。
開成の中には、実力試験のための勉強、つまり東大受験のための勉強をきちんとやっている奴らがいます。彼らは定期試験を重要視していないので、定期試験は50人中25位であっても、実力試験となると400人中10位とかに突然食い込んでくる。定める目標が僕と全く違っていたんです。その時の経験は、塾の指導の原体験にもなっています。目標を定める場所を間違えるとすべてがダメになるということを、身をもって経験しました。
付け焼刃が通じないとわかったときに、とうとう封印が解かれてしまいます。きっかけは高2の修学旅行での紙麻雀でした。勉強に目標を見いだせなくなった途端、ギャンブルに戻ってしまい、あとはどうでもいいと開き直ってしまった。完全に勉強は捨てて、毎日麻雀に明け暮れる生活でした。学校の近くの雀荘や、卓代が安い高田馬場の雀荘に、学ランを着たまま通っていました。高2の終わりには、ついに「ウラヒャク」と呼ばれる、後ろから数えて100番以内の劣等生ゾーンの仲間入りです。高3になるころは、試験前の勉強すら怠るようになっていましたね。
でも高3の運動会、これだけは超真剣に取り組みました。開成の象徴ともいえる運動会には毎年魂をかけて取り組んでいて、最高学年である高3の運動会では、中1指導の責任者「中1チーフ」として全力指導にあたりました。結果は振るいませんでしたが、開成魂を後輩たちに教えることができ、自分としては上級生としての責任を果たせた と思っています。一番下の学年の指導者を選んで達成感を味わったのも、今の仕事につながる原体験になっているかもしれませんね。