「松濤」48億円の都知事公館はバブルなのか?

48億円は高すぎないか?


東京都知事公館
 売り出しを決定しすでに約3年が経過しようとする「東京都知事公館」。所在地は富裕層が最も好む高級住宅地の一つでもある渋谷区松濤一丁目だ。約2200平方メートルの広大な敷地と建物を合わせて、お値段は48億円。ここ数年の地価下落で、同地区のマンションや不動産販売も好調と聞くが、知事公館だけが世の中の景気とは無関係に、ある意味で“バブル”の状態にあり、まだ買い手は現れていない。近況を追ってみた。

 文化、流行の発信地である東京・渋谷。JR渋谷駅を降りたとたんに活気があふれてくる賑わいの中、10分ほど歩くと東京都知事公館にたどりつく。高い壁に覆われ、壁上から物々しい警備カメラが門外を監視する。

 近くに住むという30代女性は「普段、話題に出ることもありませんし、そう言えばまだ売れていなかったのですね」とあまり関心がない様子。ただ48億円という値段を知らせると「えっ」とさすがに驚いていた。また、近くの造園業の男性も「公館は入ったことがない。中はどうなっているのだろうね」と、まるで遠い世界の事のように話す。

 本来は主となるはずだった石原慎太郎知事が一度も住むことなく売却を決定したのは2008年のこと。当時の都政担当記者は「知事が住んでいれば、当然夜周り取材に行きますけど、行ったことがない。まだ売れていなかったのですね」と振り返る。

 皮肉なことに、地価は下がっていることもあり、近くの億ションなどの売れ行きは好調。知事公館は48億円という価格で、さらに売却相手が大使館などに限られているということもある。また、公共財のため地方自治法に則って値下げもできない。

 将棋で言う、詰んだ状態だ。

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