「松濤」48億円の都知事公館はバブルなのか?

もとは旧・会津藩松平家の由緒ある日本家屋


東京都知事公館
 東京都知事公館は、敷地面積約2200平方メートル、延べ床面積は約1890平方メートル。都財務局が、第三者に鑑定を依頼して算出した価格は最低48億円。土地の値段は公示価格に照らし合わせると約23億円、建物は約25億円という計算になる。

 土地の価値は理解できるが、建物が高いような気もする。しかし「特別な仕様のものなので」(都財務局)という。何が特殊なのかはよくわからないのだが、建物は1997年の故・青島幸男知事時代に12億円かけて改装工事を実施されたものだ。土地がバブルなのではなく、建物がバブルではないのか?

 元々は、1927年(昭和2年)に会津松平家の屋敷として建築された、純和風の格式高い日本家屋だった。47年(昭和22年)に東京都が買い取り、現在にいたっている。かつては由緒正しき御屋敷であったが、今はそんな歴史の面影はまったく見ることはできない。

 1997年という時代背景も影響はしている。阪神大震災の直後ということもあり、やはり建て替えは必然だっただろう。しかし、「中を見た人はがっかりするらしい」(元都政担当記者)ということだ。

 かつて猪瀬直樹・副知事は中に入り、その様子を日経BPで「一目みて、なぜ12億円もかけてこんなひどいものをつくったのか、と愕然とした。センスがない。石原都知事も入居しないわけだ」とレポートしている。

 ある大手不動産会社営業マンも「あんないい立地をもったいない…。うまくやれば、もっと儲かったでしょうに」とこぼす。

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