もとは旧・会津藩松平家の由緒ある日本家屋
東京都知事公館
土地の価値は理解できるが、建物が高いような気もする。しかし「特別な仕様のものなので」(都財務局)という。何が特殊なのかはよくわからないのだが、建物は1997年の故・青島幸男知事時代に12億円かけて改装工事を実施されたものだ。土地がバブルなのではなく、建物がバブルではないのか?
元々は、1927年(昭和2年)に会津松平家の屋敷として建築された、純和風の格式高い日本家屋だった。47年(昭和22年)に東京都が買い取り、現在にいたっている。かつては由緒正しき御屋敷であったが、今はそんな歴史の面影はまったく見ることはできない。
1997年という時代背景も影響はしている。阪神大震災の直後ということもあり、やはり建て替えは必然だっただろう。しかし、「中を見た人はがっかりするらしい」(元都政担当記者)ということだ。
かつて猪瀬直樹・副知事は中に入り、その様子を日経BPで「一目みて、なぜ12億円もかけてこんなひどいものをつくったのか、と愕然とした。センスがない。石原都知事も入居しないわけだ」とレポートしている。
ある大手不動産会社営業マンも「あんないい立地をもったいない…。うまくやれば、もっと儲かったでしょうに」とこぼす。