『開成番長』が語る、ギャンブル漬け人生【4】

講師に求めるのはコミュニケーションスキル


東大安田講堂
 TESTEAの講師は現役東大生が中心です。講師に一番求めているのはコミュニケーション能力。生徒の目線に立って教えられる人物かどうかに重点を置いています。講師希望の学生を面接すると、頭がいいゆえに斜に構えてしまうタイプも時折います。このタイプは、生徒とうまく会話ができないことが多いのです。頭がいいけど、時にはいい意味でバカになれる人物を採用しています。採用試験では筆記と面接を行いますが、面接を重視します。個別指導なので人重視はなおさらです。

 個別指導塾はとりわけコーチング能力が大切になってきます。講師から働きかけて生徒に気づきを与えたり、生徒にやる気を出させるのが重要です。集団授業の塾よりも一人一人と密なコミュニケーションができるのだから、それを活かして生徒の一週間の学習までをもコントロールし、よい方向に導けるのが一流の講師です。

 生徒にとって良き兄貴分、姉貴分となれるような大学生たちと接することで得られるものは確実にあります。僕は人とのかかわりがその人の人生を決めると思っていますが、真剣な東大生たちの姿に触れることは、生徒の物の見方や考え方に、必ず良い影響を与えると確信しています。

 個別指導塾の力は「どんな状態の生徒をどこまで伸ばしたか」で決まると思っているので、「御三家何人合格!」という華々しい合格実績や数字に強いこだわりはありません。でも今年、設立4年目にしてついに東大合格者を輩出した時は嬉しかったですね。高1から通っていた生徒でした。

 「人間力育成」に重きを置いた教育の中で、東大合格という結果も残したいという願いは創設時からありましたので、合格者を出して目標をひとつ達成することができました。今では僕の所属していたサークルの後輩となり、うちの講師でもあります。なんだかこういうのって、本当に嬉しいことですよね。(続く)

1 2 3
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる