リヒテンシュタインの投資資金まで捕捉される
「遺族は本当に知らなかったのでしょう。遺族にすれば、知らないお金が出てきたので、実は喜んでいるかもしれません。国内でこうしたケースは時々ありますが、海外から出てくるということが、今の時代の流れを現していると思います」と、前出の税理士。
帝京大元総長がリヒテンシュタインで運用していた15億円の資金の存在が明らかになり、遺族が国税局から申告漏れを指摘され、追徴課税4億円を課された事件のことだ。日本との間に租税条約を結んでいない国のために、これまでなら判明はしなかったかもしれない。
「租税条約を結んでいない国に資金を移していても、他の条約を結んでいる国から情報がもたらされる可能性が十分あるのです」(同税理士)
ドイツ司法当局が独自に入手した大量の富裕層や資産家の個人情報の存在がある。ドイツ経由で手に入れれば何のことはないということだ。
それは、リヒテンシュタインが置かれた国際的なポジションも関係している。