国税庁の富裕層海外資産包囲網、最新事情

地球上に逃げ場はない


 昨年7月から6月までの1年間(2009事務年度)に相続税の税務調査で見つかった海外資産の申告漏れは91億円、426件となり、01事務年度以降では過去最多になっている。実に前年比24.4%の増加で、急に海外資産が増えたというよりは、海外の調査に本腰を入れ始めた、と解釈する方が自然だろう。富裕層、資産家の資金が多く入っていると見られる。

 「(税金は)富裕層から取れば世論の反対は少ないし、政治家も、当局もターゲットにしやすいところです」と前出の全国紙記者はいう。

 また、元国税庁関係者は「国内でも海外でも、金融機関を通せば、いくら隠してもわかるということです。かえって、キャッシュのままでどこかに隠された方が、厄介です」ともいう。

 もはや、この地球上では、やましい考えを持って、どこに隠そうとも、どうにもならないということだ。

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