お金を持つほど不幸になるのはなぜか【2】(本田健氏)

大金持ちの子供には破産願望?


 「わたしの学生時代の友人に大金持ちの子供がいて、一緒に回転ずしに行くと、その友人は値段が高い皿ばかりを頼んで、会計の時になぜ自分だけが高い金額を払うのか、本人は理解していない様子でした」

 生まれながらにして、お金の苦労のない人もいる。この友人は典型的なそのタイプにあてはまるのだろう。だが、往々にして名家は3代でダメになってしまう、とは昔からよく言われてきたもの。もちろん、国によって相続税率の違いや時代による政治・経済情勢の変化ということもあるだろうが、それはなぜなのか。

 「悪銭身に付かずといいますが、大金持ちの子供もそれに近いものがあると思います。それは自分で稼いだお金ではないからです。また、人から『大事にしろ』と言われると、裏切りたくなるのが人間なのですから」

 これは防ぎようがないのだろうか。「無意識の中に、破産願望のようなものがあるように思いますね」と本田さん。現在も、2代目のこうした行動や考え方は研究中であるという。

 とは言え、富裕層もお金との付き合い方を見直すだけで、随分と目の前が開かれた生活が待っているのではないだろうか。(終わり)◆前篇はコチラから◆

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