今後は空売りヘッジができなくなる?
ここでは、2009年に行われた、みずほFGを例にとってみる。同社の価格決定日の終値は190円。そこから3.15%ディスカウントされた184円での公募株の価格が決議された。投資家の取引の手順は次のとおり。
1、申し込み期間中に証券会社の店頭かネットで申し込み。
2、割り当て株数に応じて現物株が184円で手に入る。
3、公募価格決定日と同日に、後場の引け成りで空売り、190円の売建玉を持つ。
4、この時点で、すでに6円の利益が出ていることになる(手数料などは考慮せず)。
※ただし、信用売り可能銘柄に限る
公募増資で得た現物株は、価格決定後の受け渡し日まで売ることができないために、下落の可能性もある。そこを空売りでヘッジしようというものだ。
金融庁は、公募増資発表後に空売りした投資家は新株取得を禁止することなどを盛り込んだ規制案を作成した。つまり、公開価格決定日の「現物買い」「空売り」のセット取引は禁止されるということになる。
「儲けが減る」というのは納得できる。