任天堂社長が語る、DSで携帯電話に挑む(後編)

ソフトは買う必要はない?

 その重要なミッションを背負ったDSiは先日、欧米、オーストラリアでも発売された。では、任天堂は具体的にはどのようなサービス展開を考えているのだろうか。


任天堂の岩田聡社長。右は宮本茂専務
(宮本専務)今、興味を持っているのは、DSを街中で持ち歩くと様々なサービスが受けられるという環境です。美術館に行って音声ガイドを受けたり、ショッピングモールに行ってクーポンを持ち歩いたり、地図をもらったり、色んなサービスを自分がDSを持ち歩くだけで受けられたらなぁ、というのが1つの夢なのです。

 DSを持っていれば、生活が便利になるというのが今のテーマです。ソフトを買わなくても、DS本体だけを持っていればそのサービスが受けられるということ。テクニカルな問題は色々ありますが、本格的にゲームを作るのと同じようなエネルギーをかけて、仕組みを作ってきました。

 ちょっと話が昔に戻ってしまうのですが、ファミリーコンピュータがたくさん売れた時に、いろんな業界の方から「この機械をネットワークに使いたい」「勉強に使いたい」といったオファーがありました。DSも、例えば「病院で使えないか」「学校で使えないか」とか、世界中からいろんなオファーを受けました。

 エレクトロニクスの機械なので、できるようにするのは簡単なのですが、使う人が快適に使えないと意味がありません。だから、快適に使うために、色んな仕組みを準備して、任天堂がそれを色んなサービス事業者の方に提供していこうとしています。まだ具体的に名前は挙げられないのですが、近々いろんなものが発表されていくことになると思います(その後、東京ディズニーランドでも音声サービスのスタートが決定した)。

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