2人のセレブ美女幹部に揺れる慈善団体

2人のおかげで慈善団体への関心高まる

 これに対し蘆星宇は「私たちは国の規定に従って10%を管理費に使うと定めた」と反論。また、ネットユーザーの「どうして中国国内で学校に通えないような貧しい子供たちがいるのに、アフリカの子供を助けるのか」という質問には「私たちは真心をもって支援をしている。もしあなたが中国の貧しい子供を救いたければ、行動すればいい」とはねつけた。

 一方、父親の蘆俊卿は中国メディアの取材に「娘は慈善事業家になりたいといい、私も賛同したので、援助をしただけだ。それに、彼女は小さい頃から数100人の人にもらったお年玉100万元(約1200万円)を、一番に寄付したんだ」と語っている。

 「郭美美」と「蘆美美」。二人とも20代前半の女性で慈善事業セレブだという共通点はあるものの、いくらかタイプは違うようだ。

 「郭美美」はブログで様々なセレブ生活を紹介しているが、「蘆美美」は海外を飛び回っている書き込みはあるが自慢話はしていない。また、見た目もアイドル系の「郭美美」に対し「蘆美美」は受け答えもはっきりしていて、地方政府の書記官のようだ。ちなみに、「郭美美」はこのたび急激に上昇した知名度にあやかろうとしたのか、ミニブログ上で新曲≪ディンディンガール≫を発表。だが、ネットユーザーからは「信じられない」とまたまた批判を浴びる結果となった。

 こうした全くタイプの違う2人のセレブをきっかけに、中国慈善事業団体には今も疑念の目が向けられている。中国メディアは対照的な性格に移る2人を並べ、「郭美美は直接“慈善事業の売買”に手を染めていないかもしれないが、その恩恵を受けている。蘆美美は、まさにその中に身を投じて、重要な責任を負っている。我々が寄付した金銭は、最終的に郭美美の愛車・マセラティに変わり、その“変わっていく”過程を蘆美美は操っているのだ。端的にいえば、郭美美は蘆美美の手の平で転がされている玩具にすぎないーこれが2人の大きな違いだ」と手厳しく報じている。

 この事件をきっかけに、管理がずさんで不透明だとされる中国慈善団体のあり方はかわっていくのだろうか?

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