ヤリ手女性社員の明暗を分けた接待術

奥の手「あ~ん」


(写真はイメージ)
 薄暗い高級しゃぶしゃぶ店の店内に入ると、A子は、外国人上司の隣に座り、しゃぶしゃぶの食べ方を流暢な英語で教えた。しゃぶしゃぶなど食べた事がない外国人上司のために、A子は実際に実演してみせる。薄くスライスされた高級肉を湯がいて、タレにつけ、そして、そして…。

 日本語で「あーん」と言ってその外国人上司に食べさせた。外国人上司は上機嫌でその接待を楽しみ、後日、異動届を出したA子は見事に海外赴任を勝ち取る事が出来た。

 では、接待をうまく出来なかった場合、どうなるのだろうか。

 B子さんは、外資系金融に勤める40代女性。長く勤めているので主任程度の役職についている。

 海外から外国人上司が日本に出張した際には、派遣社員にアレンジを丸投げ。そして、派遣社員がどんなお店がいいかと聞いた際にも「自分で考えなさい」と、外国人上司の好みなど一切伝えない。そして、派遣社員が選んだ店に文句をいい、外国人上司が満足しなければ「恥をかかされた」と叱責する。これを若い頃から続けてきたのだろう。そんな彼女は、08年のリーマンショック時にリストラされた。

 このように、外資系金融において、接待は滅多に会えない外国人上司と出会うチャンス。それを生かせた者は勝者となり、生かせなかった者は敗者となる。接待に関わらず、競争社会の中で勝つために必要なのは、綿密なまでの気遣いとホスピタリティなのではないだろうか。

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