お金がなければ難しいが、お金があっても難しいのが「ブランド墓地」だ。その中でも、国内最高峰ブランドとされるのが東京都立「青山霊園」。03年から一般募集が再開され、現在は落ち着いてきたものの、それでも毎年20倍前後の人気ぶりだ。中には「裏口入学」の方法を探す人までいる始末。今年は20日にお彼岸入りするが、最新のお墓事情を探った。
裏口入学はありません
青山霊園。奥は六本木ヒルズ
東京都内のとある石材業者には、都立青山霊園の権利を求めて今でもこんな問い合わせの電話が来るのだという。大久保利通、吉田茂、池田勇人、「坂の上の雲」でおなじみの秋山好古ら、主に明治時代の政治家、軍人らがこの地に眠っている。
03年から43年ぶりに青山霊園など都立霊園の一般募集が始まり、3.15平方メートルが倍率32.3倍、その半分の区画が同61.8倍という驚異的なものとなった。現在は少し落ち着いてきたものの、それでも20倍前後の競争率は続いている。
石材業者によると、現在は地方の霊園開発が暗礁に乗り上げるケースが目立っており、売れ行きは芳しくなく、土地が空いているケースも多く見られるという。バブル期に多く見られたような大規模霊園は、すでに時代のニーズから取り残されている感がある。
「今は墓に対する考え方も多様化しています」(業者)というように、墓地を必要とせず、埋葬せずに粉骨で済ませる人もいるほど。そうした、多様化の一つがブランド志向ということになる。