私はこうして「青山霊園」の抽選に当たった(下)

上司に墓のことを聞かれて考えた

 「俺はあとはお墓だけだ。お前はどうするんだ?」

 今から10年以上前に、男性が投資銀行に勤務していた時代に上司から唐突に話を振られたのだという。しかし、答えに窮した。それは考えていなかったからだ。

 「そもそも外資系企業は、終身雇用という価値観がないので、いつも将来の自身のキャリアを考えています。そして、すべてを揃えた後で、最後に考える買い物がお墓ということです。40歳代なら考えてもいいだろうと思ったのです」


 日本人男性の平均寿命は79歳。この年齢まで生きると仮定しても、あと30年以上もある。男性には妻と子供がいるのだが、青山霊園の抽選に参加する際には相談したが、まったく反対されなかったそうだ。

 「自分の後処理はできるだけ自分でするようにして、子どもには負担を掛けないようにしたいと考えました。お墓があることで、わたしも妻も、将来はここに入るんだ、という気持ちの整理がついたと思うんですよ」

 結果、7回目のチャレンジで当選することができた。今や、ビジネス誌でも特集が組まれるくらいのお墓の問題。男性は「終活」の中でも重要イベントをこれで片づけたことになる。

 それでは、次ページで金銭面について触れていくことにする。

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