私はこうして「青山霊園」の抽選に当たった(下)

南青山の周辺土地より割高

 東京都公園協会の資料を基に、同じ23区内にある、谷中霊園と永代使用料を比較してみた(一般埋葬施設)。
◆青山霊園
1.6平方メートル=470万円~
3.2平方メートル=960万円

◆谷中霊園
1.4平方メートル=241万円~
3.2平方メートル=332万円

 単純比較で2~3倍近い価格差になることがわかる。地元の不動産業者によると、南青山3丁目の土地の坪単価は、場所にもよるが450万円くらいになるのだという。それよりも2倍近い価格ではあるが、土地以上に墓地は開発規制などがあるために、やはり青山霊園という絶対的なブランドには代えがたい。また、宗派を問わないという点も入る側にとってはありがたい。

 墓石はこだわらなければ、近年は外国産の物もかなり使われているため百数十万円から建てることが可能だ。もちろん、自分のこだわりで材質、デザインなど多様化しており贅沢の余地はたくさんあるそうだ。

 男性には、詳しく聞けば、地方に両親の墓があるのだという。移設などが生じるのだが、お墓ごと移すのか、あるいは遺骨だけ移すのかなど、これも個人によって事情が違うだろうから、業者に相談すれば、すべてプランを提示してくれるという。

 実際には、必要書類をそろえてから抽選書類の記入・提出から、当選後の手続き、墓の建設まで「かなりのエネルギーが必要で、高齢者には厳しいかもしれません」と男性はいう。ただ、そうした場合でも業者に頼めば、手続きなどにも同行してくれるなど、心強い味方となってくれるという。やはり、まだ余力のある今だからこそ、比較的スムーズにできたのかもしれない。

 では最後に、なぜ青山にお墓を建てることにメリットがあるかを考えてみたい。

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