IT系企業の若社長のほとんどは、小さい頃からPC好き、ゲーム好きである。けれど子供にとって、ゲームもそれなりの値段だから自分の小遣いで次々とは買えない。そこで、じゃぁ作っちゃえとばかりに、自分でプログラミングして仕上げてしまったなんて人も多い。
小さい頃に培った素養に事業欲が追加された
最新のものに目ざとい、頭の回転もいい、データ処理能力もすぐれている、技術もある、反射神経もいい。しかも自由でいたい志向が強い。とにかくゲームが好きという下地があってそれらの素質が備わっている。となると、後は事業欲さえ目覚めればIT起業家のイッチョ出来上がりである。実際そういうケースが多いようだ。
以前取材したT大出身の社長(仮にF社長としよう)も、そんな起業家の典型。在学中に起業し、今や業界での評価も高く、実際、大手企業を取引先やパートナーに持ち順風満帆といった趣である。
言い忘れたがF社長の会社はゲームソフトを作る会社ではなく(「そんな安易な儲けかたはしたくない」とF社長は言い切る)、受注に頼らず独自にアプリケーションを開発したりシステムを構築し、それを商品として売り込み、クライアント仕様に仕上げていくという事業で成功している。