若手大量流出の東電、ついに「実力主義」導入

 東京電力が1年間で400人以上の社員が退社し、例年の約4倍に上るという危機的な状況にある。しかも、20、30歳代の若手が去っていくというから、よほど深刻だ。人材流出を食い止めるため、東電は「年功主義」から舵を切り「実力主義」を拡大することを決めた。しかし、業界からは、昨日の今日で変われるはずがない、と危ぶむ声が出ている。

最後の晩餐


東電本店
 東京・銀座のクラブ。夜の街への出動を自粛していた東電社員らしき姿が見かけられたという。目撃したホステスによると、若い社員同士が送別会の2、3次会ふうだったという。あるホステスは「(東電社員が)会社から『行かないように注意されている』と言っていました。(名刺は)もう来ないから整理して使わない方に分類し直しています」という。

 「戒厳令」の中で夜の銀座に出没。これこそ、まさに最後の晩餐なのだろうか? 昨年度だけで400人超の社員が流出した、ことが明らかになっている。それは例年の約4倍になるという。社員数が5万人を超えるため、約1%にしか過ぎないが、これからの社を担う存在である20、30歳代が辞めていくのだというから、これはひじょうに深刻だ。

 電力業界関係者は「社員数の多さに比べれば、辞める人は少ないです。止むをえない事情がある人や、若い人だと寿退社とか、そんなところです」という。

 東電の総合特別事業計画の中に「年功要素を縮小し、実力主義を徹底」「若手人材登用の機会を拡大する」と書かれているのだ。

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